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PEのもう少し詳しい話 // 魔法のキキv3

☆ PEのもう少し詳しい話   最終更新:2015.3/9

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 CDやUSBなど,外部のメディアから起動できるWindows:WindowsPE.本来の用途はWindowsのインストールだが,それ以外にはレスキュー用途に使用できる.
 1CD Linuxは機能豊富な上にISOファイルを焼くだけという手軽さがある.がNTFSへの書き込みの信頼度,一部環境のドライバの不足,という欠点がある.これらの問題点を解決するためにも,出来ることならWindowsPEは作っておきたい.起動後にUSBメモリからドライバを足せるのもよいところだ.

 純正で完成済みのPE2/3もある.WindowsVista/7のインストールDVDだ(もちろん8.1からはPE5.0が起動).修復オプションからコマンドプロンプト,USBメモリにソフトを入れておけばGUIでいろいろ出来る.この方法の欠点は使いづらいこと.この方法だと作るときは解説は不要だが,使うときに説明書が必要になってしまう.
 そもそも,WindowsPEの正体はWindowsをハードディスクにインストールや修復を行うための,CDから起動するWindowsだ.そのため,正規のフル機能のWindowsと比べて機能が幾分制限されている.例を挙げれば,VBランタイムが必要なソフトはそのままでは動かない..NETFrameworkが必要なソフトも同じだ.また,標準ではInternetExplorerやWindowsExplorer,MS-IMEなども入っていない.よって,初めてPEを使った人は,何だこのOSは,と思うのではないだろうか.しかし,細かく上げると切りが無いものの,主な制限はこの程度だ.逆に,TCP/IPによるネットワークやNTFSの読み書きのサポート,Windows用のドライバなどはそのまま使える.レスキュー目的なら潜在的な機能としては十分ではないだろうか.

ところで,ここでPEの歴史とバージョンごとの特徴を簡単に説明してみる.


・Windows PE 1.x
1.xの時代は一般公開されておらず,契約を結んだ企業にのみ公開されていた.ただし,PE BuilderとXP/2003のCDを使用して作成するOS - BartPEは,事実上PE1.x互換のOSである.当然というか、対応しているハードはXP時代そのものなのでSATA対応が貧弱だ。
対応OSはWindowsXP(SP1以上)/2003だ.ビルドする環境はWindows2000以上.


・Windows PE 2.x / 3.x
一般公開されたWindowsPE.WindowsAIKをMSのサイトからダウンロード,コマンドを数個打ち込むことにより,CD/DVDから起動するWindowsを手軽に作ることが出来る.基本機能だけなら製品版WindowsインストールCDは必要ないし,IMEを入れるにしても評価版(対応するServer版も可)で代用できる.
また,32bit版と64bit版がある.32bit版は32/64bitのCPUで実行できるが,64bit版は64bit対応CPUでしか動かない.また,フル機能Windowsと違いWOWを積んでいないので32bit版から16bitソフト,64bit版から32bitソフトを動かすことは出来ない.特に64bit版PEを使うときは注意だ.

なお,64bit版Windows上(作業用PC)からでも32bit版PEの作成は可能だ.

ベースとなるWindowsのバージョン,ビルド環境は以下のとおりとなる.

2.0 : Windows Vista SPなし
2.1 : Windows Vista SP1 / 2008
3.0 : Windows 7 (32/64bit) / 2008R2 (64bitOnly)
3.1 : Windows 7 SP1 (32/64bit) / 2008R2 SP1 (64bitOnly)



2.0以降は1.xと比較して,起動方法の変更などの仕様変更のほか,SSL対応,プラグ&プレイのサポート,連続起動時間が24時間から72時間への緩和,RAMドライブの自動生成などの機能追加がある.2.1は2.0のマイナーアップデート版?だ.大きな仕様変更は無いので,特に理由が無ければ2.0を選ぶ必要はないだろう.
3.xでは,初期状態でパッケージを搭載せずにファイルサイズが小さくなっている,最適化が必要なくなり任意にパッケージの追加削除が可能,wimファイルのマウントなどの機能が追加されている.3.1は3.0との差分(?)としての配布のみなので,わからなければ無理に3.1を入れる必要はないかもしれない.
3.xは2.xに対してメモリ消費量はそんなには増えていない,最適化した2.xよりはwimファイルサイズは大きい(2.x>3.x>最適化2.x)ものの3.xで悪いことはあまりないだろう.障壁はXPでの作成がサポートされないくらい(それが大問題だがw)だ.


・Windows PE 4.0 / 5.0
PE4以降になっても、大まかなところは同じ。ただ単にPE4がWin8、PE5がWin8.1ベースなだけ。ただし、WindowsAIKではなくADKを使って作成。また、レジストリの書き換えに若干制限がかかる。詳しくはまた後で。


最後に一応書いておく.GPTディスクのことについてだが,実は未だに未確認。MBRパーティーションのシステムは2TBが限界であり,それ以上はGPTディスクにする必要がある.これはOSの対応も必要で,読み書きをするだけでもVista以上である必要がある.GPTのHDDからの起動には64bit版が必要だがCD起動であるPEは32bitであってもデータの読み書きできると予想しているが...



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